2023年7月24日

混同しがちなウイスキーとブランデー何が違うの?原料や種類について

ウイスキー ブランデー 違い

20歳を迎えた日、満を持してお酒を飲まれた経験をお持ちの方は多いことでしょう。

 

初めて居酒屋に行き、初めてお酒を飲むときってワクワクしますね。

 

最初はビールや酎ハイ、カクテルから入門される方も多く、徐々にお酒の味にも慣れていき、居酒屋からbarなどにも足を運ぶようになり、いつしかウイスキーやブランデーにも興味が出てきます。

 

しかし、ウイスキーやブランデーの名前を知っていても、いったい何が違うのか知らない方も意外と多いようです。

 

そこで、今回はウイスキーやブランデーについて基礎知識を紹介していきます。

 

ウイスキーとブランデーの違いは?

 

ウイスキーとブランデーどちらも見た目は琥珀色をしており、アルコール度数も40度前後で、高級なイメージを両者が持ち合わせており非常に共通点が多いお酒ですが、決定的な違いとして原料や製造工程に違いがあります。

 

ウイスキーとは

 

ウイスキーは大麦、小麦、ライ麦、トウモロコシなどの穀物を原料とした蒸留酒です。

 

原料となる穀物に麦芽を加え糖化させ、酵母を加えアルコール発酵・蒸留を行い、樽で3年以上熟成しウイスキーができ上がります。

 

大麦麦芽のみを原料としたウイスキーを「モルトウイスキー」と呼び、深みのある味わいを感じられます。

 

一方の小麦、ライ麦、トウモロコシなどを原料としたウイスキーは「グレーンウイスキー」と呼ばれ、爽やかな味わいが特徴です。

 

ブランデーとは

 

ブランデーはブドウ、リンゴ、さくらんぼなどの果実を使って造られています。

 

多くは酸味の強い白ブドウから造られるワインを蒸留したものです。

 

ウイスキー同様に樽で3年~数十年熟成させ、まろやかなブランデーができ上がります。

 

果実を原料としているため、ほのかに上品な風味を楽しむことができます。 

 

ウイスキーの種類

 

世界各国で造られているウイスキー。

 

その中でも世界中の人々から愛され、世界的なウイスキー生産国としてスコットランド、アメリカ、日本、アイルランド、カナダの5か国で造られるウイスキーは「世界の5大ウイスキー」として知られています。

 

スコッチ

 

スコッチはスコットランドで造られたウイスキーです。

 

その多くは、大麦麦芽を乾燥させるときに煙で燻す(いぶす)ため、銘柄によっては独特なフレーバーがついているのが特徴です。

 

世界のウイスキー消費量の半分以上を占めており、ウイスキーと言えばスコッチ、好きなウイスキーといえばスコッチと答える方も多いことでしょう。

 

日本では、ジョニーウォーカーやマッカラン、バランタインなどが人気で、ウイスキーを飲んだことがない方であっても一度は聞いたことがあるかもしれませんね。

 

バーボン

 

バーボンウイスキーはアメリカで造られている「アメリカンウイスキー」の一種です。

 

原料にトウモロコシを51%以上使用しており、80度以下の温度で蒸留し、内側を焦がしたオーク樽で熟成させているのが大きな特徴です。

 

そのため、カラメルやバニラの濃厚な香りや味わいが楽しめ、ウイスキー初心者の方でも飲みやすいようです。

 

アイリッシュ

 

アイリッシュウイスキーはアイルランドで造られているウイスキーです。

 

諸説ありますが、13世紀~15世紀に民間に広まり、14世紀以降にスコットランドに、18世紀以降にアメリカやカナダに伝わっていきました。

 

それゆえ、5大ウイスキーの中でも長い歴史を持っており、ウイスキーの起源とも言われています。

 

発芽させた大麦麦芽と未発芽大麦を原料に3回蒸留させ造られているため、雑味が少なくスコッチウイスキーのようなクセのある風味はなく、穏やかな味わいです。

 

カナディアン

 

カナディアンウイスキーはカナダで造られているウイスキーです。

 

主な原料はバーボンウイスキーと同じく、トウモロコシをベースにライ麦、大麦の麦芽が使われています。

 

その他にも小麦の麦芽が使われていることもあります。

 

バーボンウイスキー同様に飲みやすく、非常にマイルドな味わいが特徴です。

 

ジャパニーズウイスキー

 

現在人気のジャパニーズウイスキーは、スコッチウイスキーを手本に製造されたのが始まりです。

 

ジャパニーズウイスキーも歴史を辿れば、1983年度の国内消費量38万キロリットルをピークに、1989年の酒税法改正、1990年代のバブル崩壊によって、ピークから25年後の2008年には5分の1の7万キロリットルまで落ち込みました。

 

しかし、2007年に女優の小雪さんが抜擢された角ハイボールのCM(ウイスキーがお好きでしょ)が放送されハイボールブーム、

その後2014年に放送された竹鶴政孝をモデルにしたドラマ(マッサン)での飲用シーン、

ジャパニーズウイスキーの世界的な各賞の獲得などが要因となって、

2010年17億円だったウイスキー輸出金額が、10年後の2020年には270億円まで伸びてきています。

 

そんな世界的な評価を得ているジャパニーズウイスキーですが、酒税法で原料は麦芽の使用を義務付けしておらず「発芽した穀類」とされており、さらには原産地の規定などもありませんでした。

 

そのため、ウイスキーの定義の曖昧さを生むことから2021年2月に日本洋酒酒造組合がジャパニーズウイスキーの定義として以下を発表しました。

 

・原料

麦芽、穀類、日本国内で採水された水に限り、必ず麦芽を使用すること。

・製造

糖化、発酵、蒸留は、日本国内の蒸留所で行う。蒸留の際の留出時のアルコール分は 95 度未満とする。

・貯蔵

内容量 700 リットル以下の木製樽に詰め、詰めた日の翌日から起算して 3 年以上日本国内において貯蔵する。

・瓶詰

日本国内にて詰め、アルコール分は 40 度以上であること。

  

ブランデーの種類

 

ブランデーは主にフランスやオーストラリア、中南米、南アフリカなどでも造られています。

 

その中でもフランスのブランデーは歴史のあるお酒で「コニャック」「アルマニャック」「カルヴァドス」という世界3大ブランデーを生み出し、世界中の人々から評価が高く、高級なブランデーとして確固たる地位を築き上げてきました。

 

コニャック

 

コニャックはフランス南西部にあるボルドー市の北側に広がるコニャック地方で造られ、香り高いブランデーになります。

 

ユニ・ブランを代表とする白ぶどうを使い単式蒸留器で2回蒸留させ、オーク樽で最低2年以上熟成させる製法です。

 

アルコール度数は、40度以上と義務付けられています。

 

海外輸出されているほとんどがコニャックで、日本でも馴染みがあり、ヘネシーやレミーマルタン、マーテル、カミュなどは一度は聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。

  

アルマニャック

 

ボルドー市の南側に広がるエリアで造られたブランデーです。

 

コニャックが単式蒸留器で2回蒸留させるのに対し、連続式蒸留器で1回蒸留し(1972年以降は単式蒸留器で2回の蒸留も可) 1年以上樫(カシ)の樽で熟成させています。

 

アルコール度数は40度以上と義務付けられています。

 

コニャックとは違いあまり海外輸出されませんので、日本で言う地酒みたいなものになるでしょう。

 

カルヴァドス

 

パリの北西部に広がるノルマンディ地方で造られたブランデーです。

 

コニャック・アルマニャックはユニ・ブランを代表とする白ぶどうを使っていますが、カルヴァドスはリンゴを原料としています。

 

そのためか、他のブランデーと比較しても甘みが強く、食後酒としても嗜まれています。

 

ブランデーのランクとは

 

いざ、ブランデーを飲もう、買おうと思ったときに銘柄以外に記載のある「XO」「VSOP」「ナポレオン」という表記を見て疑問を感じる方も少なくありません。

 

中には知らずに、「XO」「VSOP」「ナポレオン」を銘柄であると勘違いしている方もいらっしゃるようです。

 

では、そもそも「XO」「VSOP」「ナポレオン」とはどういう意味なのでしょう。

 

結論から申し上げると、熟成年数による正式なブランデーのランクを表記するものです。

 

この熟成年数は「コント」という言葉で表現されています。

 

コニャックとアルマニャックではそれぞれ基準が異なりますが、以下の通りとなります。

 

VSOP(Very Superior Old Pale)

 

最も若い原酒がコント4で熟成期間が4年以上のものが入っており、混合された原酒の平均は10年前後になります。

 

NAPOLEON

 

最も若い原酒がコント6(アルマニャックは「5」)で熟成期間が6年以上のものが入っており、混合された原酒の平均は15年前後となっています。

 

XO(Extra Old

 

最も若い原酒がコント6で熟成期間が6年以上のものが入っており、混合された原酒の平均は30年前後で、「VSOP」「NAPOLEON」よりも希少で高価とされています。

 

 

ウイスキー・ブランデーの飲み方

 

社会人になれば会社の飲み会などでお酒を飲む機会が自然と多くなります。

 

それに伴い、さまざまなお酒を口にすることも増え、誰しも1度や2度ウイスキーやブランデーを飲まれたこともあるでしょう。

 

ただ、どのような飲み方をすればいいのか分からないっていう方も少なくありません。

 

 ウイスキー

 

居酒屋・barなどに行くとメニューには必ずと言っていいほど「ハイボール」があります。

 

グラスに氷を入れウイスキー適量とソーダ水を注いだ飲み物で、夏の暑いときはスカッとした味わいで定番の飲み物と言えるでしょう。

 

ただ、ウイスキーを美味しくいただくのであればストレートがおすすめです。

 

水や氷などなにも加えない飲み方のため、ウイスキーの質や特徴が伝わり、本来の味が楽しめます。

 

また、ロック(オン・ザ・ロック)にすれば、氷の入ったロックグラスにウイスキーを注ぎますので、最初はストレートの味、氷が解けていくと水割りに近づいていくので、1杯の中で味の変化を楽しめます。

 

ブランデー

 

ブランデーの飲み方はストレートが基本と言われています。

 

果実の香りや熟成された味わいがもっとも楽しめるからです。

 

飲むときはグラスに適量(40~60ミリリットル)を入れ、琥珀の美しい色と香りを楽しみながら個人差はありますが、30分程かけて飲みます。

 

その他にはウイスキー同様、ロックで飲むのも良いでしょう。

 

氷の入ったグラスにブランデーを注ぎますので、冷たいお酒が好みの方にはおすすめです。

 

氷が解けていくと、アルコール度数が低くなり飲みやすくなります。

 

もし、ストレートやロックでは刺激が強いと思われる方は、炭酸などで割ると炭酸がブランデーのおいしさを引き立たせるため良いかもしれません。

 

まとめ

 

ウイスキーとブランデーの違いは原料であることが分かりました。

 

ただ、原料は違えどどちらも美味しくいただくのはストレートがおすすめと言いました。

 

それは、ウイスキー・ブランデーともに、多くの職人による手間を惜しまない心の込もった思いが詰まっているからです。

 

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