2023年7月23日
サントリー響を深く味わう!各年代の美味しい飲み方
目次
初めて響を飲むので、どうやって飲めばいいのかわからない。
そんな方へ著者の主観強めのお勧めの飲み方をご紹介いたします。
その前に、味わう前に響について簡単にご説明します。
サントリー響ウイスキーとは
サントリーが製造、販売するブレンディッドウイスキーです。
ブレンディッドウイスキーとは大麦麦芽を原材料に作られたモルトウイスキーとトウモロコシ等の穀物で作られるグレーンウイスキーをブレンドしたウイスキーのことです。
そもそもなぜブレンドするのか。
それはそれぞれの原材料や蒸溜所毎にお互いの個性が異なるために一定の品質を維持することが難しいことと、また様々な原液をブレンドする事で、味に深みを持たせることができたからです。
その際に味を決め、管理する役割を担うブレンダーがレシピを作り脈々と味を保ち続けました。
また副次効果として、一定の品質で大量生産を可能としました。
そういった経緯があり、今でこそシングルモルトウイスキーもメジャーとなりましたが、かつてウイスキーといえばブレンディッドウイスキーでした。
高品質なウイスキーを安く味わえるのはブレンディッドウイスキーならではと言えるでしょう。
響ウイスキーの特徴
そんな数あるブレンディッドウイスキーの一つ、ブレンディッドウイスキー響はサントリーの3つの蒸溜所『山崎蒸溜所』『白州蒸溜所』『知多蒸溜所』の原酒を掛け合わせ、サントリー創業90周年を記念して作られたウイスキーです。
1989年、サントリー創業90周年を前にサントリーの創業者、鳥井信治郎氏の息子である佐治敬三氏が、信治郎氏の跡を継いで2代目のマスターブレンダーとなり、響のレシピを作り上げました。
元となった原酒は、モルトウイスキーを蒸溜する山崎蒸溜所(操業開始1923年)と白州蒸溜所
(操業開始1973年)、グレーンウイスキーを蒸溜する知多蒸溜所(操業開始1973年)の3つの蒸溜所から選りすぐられた原酒が使われています。
名前の由来はサントリーの企業理念「人と自然に響きあう」からとられました。
実は開発当初は明確なコンセプトも無いなか、プロジェクトメンバーは和名洋名なんでもありのアイデアを出し合い会議を重ねる中で「日本最高峰のブレンデッドウイスキーを作ろう」という明確なコンセプトが生まれ、日本にこだわったネーミングが案として決まっていたそうです。
しかし、創業90周年にあわせた企業理念が決まり、名前もラベルデザインも変更となったそうな。
そんな響のラベルのデザインは書家の荻野丹雪氏によるものであり、山崎蒸溜所にはラベルデザインに使われた書が展示されています。
響は特徴的なボトル形状にも意味があります。
響のボトルは24面にカットされていて、その理由は1年を春夏秋冬の4つの季節に分け、さらにそれぞれを6つに分けた二十四節気(にじゅうしせっき)に習ったもの。大寒や立春といった言葉はなじみがあると思います。
ウイスキーの基本的な飲み方
響の各銘柄に合った美味しい飲み方のご紹介の前に、まずはウイスキーの飲み方の種類について特徴をご説明していきます。
飲んだことのあるウイスキーを思い返して「この飲み方ならもっと美味しくなるのではないか?」など考えながら読んでいただくと、新しい体験ができるかもしれません。
・ロック
ロックすなわちオン・ザ・ロックといい、溶けにくく削られた氷と注がれたウイスキーが時の流れに合わせて香りや味に変化を飲み手に与えてくれる飲み方です。
・ストレート
ボトルに詰めたお酒を何も手を加えることなく、チューリップの様なテイスティンググラスでそのまま味わう飲み方です。
上澄みをなめるように口に含み、ウイスキーの甘み、口腔に広がる香りを楽しみます。
飲む際はチェイサー(お水や炭酸水など)を準備しておくことが重要です。
チェイサーは、アルコール度数の強いお酒を飲む際に酔いを和らげ、口をチェイサーでリセットする事でお酒を口に含む度により一層味わいや香りを引き立たせます。
ストレートの亜種として水とウイスキーを1対1で割るトワイス・アップという飲み方もあります。
・水割り
現在の「水割り」の「割る」という言葉は、サントリー社長の佐治敬三氏が考案したと言われています。
日本の飲み屋さんで水割りを頼むとお酒を氷と水で割った物が出てきますが、これは日本のじめじめした暑い夏に飲みやすいよう手を加えたからだと言われています。
作り方はグラスにたっぷりと氷を入れてウイスキー、水の順番で入れて割ります。
・ハイボール
ソーダアップとも呼ばれる飲み方です。
日本では、ハイボール=ウイスキーのソーダ割りが一般的ですが、本来ハイボールは「蒸溜酒やリキュールを炭酸の力を借りて、隠れていた香りや味わいを表に出してくれる飲み方です。
・ミスト
ミストは砕いた氷(クラッシュアイス)をグラスに敷き詰め、ウイスキーを注ぐ飲み方です。
グラスの外面に白い結露が付き、霧のように見えるのでこう呼ばれています。
要領はロックと同じですが氷が細かい分、氷が溶けやすくウイスキーが水と交わりやすくなるので飲み始めからアルコール度数が抑えられて、口当たりも優しく飲みやすいのが特徴です。
響の種類とお勧めの飲み方
響のラインナップは数多く、今では手に入らない限定ボトル等があります。
いまから紹介するのは比較的手に入りやすく、代表的な響の種類となります。
・響ジャパニーズハーモニー(JAPANESE HARMONY)に合う飲み方
響のラインナップで価格も比較的安価で、現在最も手に入りやすい熟成年数表記のないタイプの銘柄です。
味については恐らくですが原酒不足のため、熟成年数12年以下の原酒が多く、比較的アルコール香が強いです。
ジャパニーズハーモニーに合う飲み方はハイボールです。
薄口のハイボールグラスに大きく削りの荒いかち割り氷を入れ、一度水を注ぎ、グラスを冷やします。
そして水を捨て、減った分の氷を追加し次に響を氷になるべく当てないように入れ、強めの炭酸水をゆっくり注ぎます。
アルコール香を抑えつつ、響の香りを引き立てたハイボールは中華料理や、油物によく合います。
・響ブレンダーズチョイス(BLENDER’S CHOICE)に合う飲み方
サントリー響 ブレンダーズチョイスは、上記のジャパニーズハーモニーと同じく、熟成年数の表記のない銘柄で、響17年が原酒不足で発売休止となった際に飲料店向けに開発されました。
響の人気やジャパニーズウイスキーブームによる原酒不足もあり、オンラインショップを除く一般のお酒の販売ルートではなかなか手に入り辛く、現在ではデパートの抽選販売が最も手に入る方法となっています。
味わいとしては原酒不足で発売休止となった響17年の後継的な役割もあるため、味に長熟感の出やすいワインカスクで熟成した原酒が使用されており、甘さやまろやかさのある味がジャパニーズハーモニーよりも強く出ています。
一説によると熟成年数15年級の原酒を中心にブレンドされているそうです。
そんなブレンダーズチョイスに合う飲み方はミストです。
ワインカスクで熟成されている事からフルーティさ、ほのかに感じるタンニン、知多のグレーンの甘さがミストとよく合います。
おつまみには無塩ナッツや、サラミをお勧めします。
・響12年に合う飲み方
12年以上熟成された原酒だけを用いた響です。
一番の特徴としては梅酒を貯蔵した樽でウイスキーを熟成させた梅酒樽熟成モルト原酒が用いられている事です。
これによりサントリーウイスキーの特長である甘く華やかな香味をより一層引き立て香り立ちをよくし、味わいに厚みと熟成感が出ています。
残念ながらジャパニーズウイスキーブームによる原酒不足で現在は生産を中止しています。
味は12年とは思えない程のマイルドでスムースな味わいです。
そんな響12年にお勧めの飲み方は水割りです。
もともとマイルドでスムースな味のためストレートもお勧めですが、食中酒や軽く1杯の際に無理なく飲め、味わうことができる点で水割りに軍配があがります。
さっぱりとした白身魚やお造りなどにとてもよく合います。
・響17年に合う飲み方
響17年はミズナラ樽で17年以上長期熟成されたものを含むモルト原酒36種類と、知多蒸溜所や白州東蒸溜所で蒸溜されたグレーン原酒をブレンドし熟成させて作られています。
響シリーズ誕生の祖でしたが、現在はやはりジャパニーズウイスキーブームによる原酒不足の影響で2018年を最後に現在は生産を中止しています。
味わいは洗練されたコクと甘みのある味、甘くて華やかな果実や花のアロマが特徴です。
そんな響17年のお勧めの飲み方はオン・ザ・ロックです。
氷によって響17年がゆっくりと冷やされ時間ごとに異なる味わいと香りを我々に披露してくれます。
今はもう生産されていない響17年に浸りながら、物思いに耽るのも時には良いかもしれません。
おつまみは必要ありません。
・響21年に合う飲み方
サントリー響21年は、 山崎蒸溜所で蒸溜されたモルト原酒をホワイトオーク樽、ミズナラ樽、シェリー樽で21年以上熟成させた原酒を中心に、同じく酒齢21年以上の長期熟成された原酒をブレンドした銘柄です。
伊勢志摩サミットで各国首脳陣らに提供されたことで、知名度、人気共に拍車がかかり一層入手しづらくなってしまった名酒です。
響17年、21年と人気が二分されてしまう程の実力を持っており、響17年が発売休止となった後も残り続けている事からもその人気の高さがうかがい知れます。
響21年に合う飲み方はトワイス・アップです。
基本的にはテイスティンググラスを用いるのですが、私があえてお勧めするのはブランデーグラスです。
手のひらで温めつつゆっくりとグラスを回してみましょう。
回す度に香りが鼻先をくすぐります。
匂いにつられて響21年をすするととてもウイスキーとは思えない甘さが口を満たしてくれるでしょう。
お勧めのおつまみは酸味のあるドライフルーツや酢漬け等の酸味のあるおつまみがお勧めです。
・響30年に合う飲み方
サントリー響30年は、熟成期間30年以上の原酒のみを厳選しており、また熟成期間30年ともなると、熟成している樽に残る原酒は半分程度となってしまいます。
そのため、ブレンディッドウイスキーの特徴である大量生産はまったく出来ず、その生産量はなんと年間数千本しか造れない非常に希少な銘柄です。
希少な銘柄かつ、サントリーの一般販売しているラインナップの中でも最も熟成期間が長いウイスキーで、生産数が少ないためボトルのラベル貼り付け等も全て手作業で行われています。響の特徴である二十四節気をイメージした24面カットボトルは、ラインナップの中で唯一30面カットとなっています。
生産時期によっては観音開きの外箱や通称”赤箱”と呼ばれる物に区別され、非常にバラエティーに富んだウイスキーです。
響30年は山崎蒸溜所秘蔵の超長期熟成樽の中から、熟成年数30年以上の原酒を厳選し、ブレンドされています。
ブレンドされている原酒はホワイトオーク樽熟成の原酒が中心であると言われています。
生産数の少なさ、人気の高さから入手することが非常に難しい最高峰の響です。
響30年に合う飲み方はストレートです。
長期間熟成されたウイスキーは40度を超えるアルコール度数であっても口に含んだ時の味わいがまろやかなものとなっています。
響30年を飲んだ筆者の感想としては甘い香りにつられて飲むと意外とパンチがある事に驚きます。これは飲んだ後の余韻が長い事に繋がります。
あえてグラスに加水しトワイスアップとしても飲むことも良いですが、ストレートで飲み干し、空っぽになったグラスから立ち上る香りはより一層甘美な香りとなっている事でしょう。
香水と同じくウイスキーの香りには初めに強く出る香りと後々まで続く香りがあるので、味だけでなくその甘美な香りを味わってみて下さいね。
まとめ
ウイスキー好きな筆者の意見にだまされたと思って、是非試してみてください!
最後までご覧いただきありがとうございました。
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