2023年7月23日
ウイスキーを冷凍して、新しい魅力を見つけよう。
目次
「ウイスキーを凍らせるとどうなるんだろう?」と考えたことはありませんか?
特に夏はウイスキーを冷蔵庫で保管する方もいらっしゃると思います。その際、冷凍庫に入れたら水のように固まるのか、シャーベット状になるのか、味は変わるのかなど、気になったことがあるのではないでしょうか。
今回はウイスキーを冷凍するとどうなるのか、また適切な保管方法についても解説していきます。
ウイスキーは冷凍庫に入れても凍らない?
実は家庭用冷凍庫ではウイスキーを冷凍することができません。
アルコールを冷凍するには-100℃以下まで冷やさなければなりません。アルコール含有量が多ければ多いほど、ウイスキーは凍りにくくなります。
一般的なウイスキーのアルコール含有量は約40%であり、凍らすには冷凍庫が-30℃以下になる必要があります。
家庭用冷凍庫は基本-18℃程度と設定されており、ウイスキーを凍らすための必要温度に届きません。
ウイスキーの保存方法
ウイスキーについてあまり詳しくない方は、開封後のウイスキーの保存方法として、冷蔵庫に入れて保管している方が多いのではないでしょうか。
実はそれは間違いなんです。理由は3つあります。
・ウイスキーを適切な温度で保存しないと香りが立ちにくくなる
・冷蔵庫内の乾燥によりウイスキーが蒸発して、品質低下も招く恐れがある
・冷蔵庫内の食材の匂いがウイスキーに移ってしまう
ウイスキーの正しい保管方法は、日光に当たらない、温度変化が少ないところで常温保管が一般的です。
窓際を避けて普段から目に入るところに置いておけば、匂い移りのリスクや開栓後の飲み忘れを防止できます。
もしお持ちでしたら、ワインセラーなど湿度管理されている場所で保管できればなお良しです。ちなみに家庭用冷蔵庫では湿度管理はできません。
また、コルク栓を使用したウイスキーはボトルを立てて保管する必要があります。横にして保管すると、ウイスキーの中身がコルクから染み出す恐れがありますので注意しましょう。
ウイスキーの賞味期限
開封後のウイスキーには、明確な賞味期限はありません。
ウイスキーは蒸溜酒の一種です。アルコール含有量が約40%と非常に高く、ビール(約5%)や日本酒(約11%)と比べて雑菌が繁殖しにくくなっています。
このため、正しい保管方法で保管すれば、長期間にわたって開封後のウイスキーを楽しむことができます。
ウイスキーを冷凍したらどうなる?
ウイスキーを冷蔵庫で保存するのは好ましくないことが前述でお分かりいただけたと思いますが、ならばウイスキーを冷凍保存すれば、品質の劣化を気にする必要がなくなるんじゃないかと思う方がいるのではないでしょうか。
確かに品質の劣化は少なくなりますが、別の問題が生じます。どのような問題が生じるかを見ていきます。
ウイスキーが凍る条件
先ほどお伝えした通り、家庭用冷蔵庫、冷凍庫はウイスキーを凍らすことができません。
また、ウイスキーメーカーは冷凍することを薦めていません。
アルコール度数が40%のウイスキーは約-24℃で凍ります。家庭用冷凍庫以外で温度を-24℃以下に設定できる冷凍庫であれば、ウイスキーを凍らすことができます。
ウイスキーの味や香りが弱くなる!?
ウイスキーを冷凍庫で冷やすと、常温と比べてウイスキーが持つ味や香りが弱くなります。
ウイスキーの匂いがちょっと苦手な方であれば、飲みやすくなるというメリットがあります。
ウイスキー本来の味や香りを楽しみたい方としては物足りない、または別物として感じることでしょう。
ウイスキーが凍るととろみが出る!?
冷凍ウイスキーを飲むと、「トロトロになる」といわれることが多いです。
ウイスキーを冷凍させるととろみが出て、常温時と違った味わいになります。なぜウイスキーを冷凍するととろみが生じるかというと、ウイスキーを冷凍しても、分子が結合して個体になるわけではなく、低温により分子活動が鈍り、流動性が低くなる状態がとろみとして味わうときに感じられます。
冷凍庫でスピリッツなどのアルコール度数が高いお酒を冷やして飲むことを「パーシャルショット」と言います。アルコール含有量が高いお酒に共通して、トロトロの飲み口になることで知られています。
ウイスキーを冷凍庫で冷やす時の注意点
ウイスキーを冷凍庫に入れる場合、以下3つのポイントに注意する必要があります。
・冷凍庫に入れることによって瓶を破損させる可能性がある
・元の色合いではなくなる可能性がある
・ウイスキーの品質が劣化すると元に戻らない
各ポイントを詳しく解説します。
冷凍庫に入れることによって瓶を破損させる可能性がある
未開封またはほとんど飲んでいないウイスキーを冷凍すると、ウイスキーの中身が膨張して、瓶がウイスキーの中身の膨張圧力に耐えられなくなることで、割れてしまう現象です。家庭用冷凍庫はウイスキーを凍らせる程の能力はありませんので、瓶が割れる可能性は低いでしょう。
業務用冷凍庫を使用している場合、ウィスキーを凍らせる能力が十分ありますので、冷凍する際は注意する必要があります。
対処法として、ウイスキーを冷凍する際は庫内温度に気を付けて、直接冷気に当たる場所を避けて冷却しましょう。
元の色合いではなくなる可能性がある
ウイスキーを凍らせると、色合いに濁りが現われる銘柄があります。
冷却ろ過「チルフィルタード」をしていない銘柄は濁りやすいです。ウイスキー独特の琥珀色を楽しみたい方には向かないため注意しましょう。
ウイスキーを冷凍しても、ウイスキーの色合いを楽しみたい方は、濁りが出にくい銘柄または「冷却ろ過(チルフィルタード)」という工程が行われているウイスキーを選ぶことをおすすめいたします。
カスクストレングスウイスキーなどの一部商品はラベルに「冷却ろ過を行っていない(ノンチルフィルタード)」と記載されていることがありますので、この記載が確認できたものについては冷凍しないようにしましょう。
冷凍されたウイスキーを常温のものと見比べてみて、その違いを楽しむのも良いでしょう。
ウイスキーの品質が劣化すると元に戻らない
ウイスキーを冷凍させると元の味や香りは戻りません。
冷凍した後、冷凍以外の楽しみ方は一切できなくなります。
またウイスキーを正しい状態で保存しなかった場合や、開封後正しい状態で保管していたとしても半年以上経つと空気に触れているため酸化してしまい、ウイスキーの劣化が始まります。
飲めなくなるわけではないですが、味や風味、色に変化が出てきますので併せて覚えておきましょう。
冷凍目的でウイスキーを購入するか、品質が戻らないことを理解した上で冷凍するようにしましょう。
冷凍庫で冷やしたウイスキーの飲み方
フリージングハイボール
冷凍庫で冷やしたウイスキーを炭酸水、氷で作るハイボールです。
キンキンに冷えているため、爽快感のあるのど越しを感じられます。
冷やされたウイスキーの味や香りが弱くなったことで、軽い口当たり、薄くなったアルコール特有の匂いになり、苦手の方もかなり飲みやすい仕上がりとなっていると思います。
フリージングハイボールの作り方は一般的なハイボールの作り方と同じです。違いは使用するウィスキーは常温か冷凍で冷やされたものかです。
1.冷蔵庫で冷えたグラスに氷を入れます。
2.冷蔵庫から炭酸水、冷凍庫からウイスキーを取り出します。
3.氷を入れたグラスにウイスキーと炭酸水を1:2.5~3の割合で注ぎます。
4.最後に炭酸が抜けない程度にマドラーで軽くかき混ぜたら完成です。
フリージングハイボールは、自宅で簡単に作ることができますので、ウイスキーを冷凍させて試してみましょう。
冷凍におすすめのウイスキー
サントリーウイスキー 角瓶
創業者の鳥井信治郎氏が「日本人の舌に合う日本のウイスキーをつくりたい」という想いから開発された「サントリーウイスキー 角瓶」です。1937年に発売され、現在ではウイスキー売上国内No.1の銘柄となっており、飲食店でも提供されていることが多いですよね。
テレビCMでも「♪ウイスキーがお好きでしょ」で全国民に馴染みがある銘柄と言えます。
角瓶のベースには、山崎蒸溜所や白州蒸溜所のバーボン樽原酒がバランスよく使用され、厚みのあるコクとドライな後味を感じられます。
ハイボールによく合う味設計になっていて、伝統の味を守るため、ブレンダーが日々原酒をチェックしています。
冷凍してフリージングハイボールにすれば、さらに飲みやすさが増すことでしょう。
グレンフィディック 12年
グレンフィディック12年は伝統の香りと味を1887年の創業当時から受け継いでいます。
世界中の多くの栄誉ある賞を獲得しています。
当時から変わらず清らかで軟らかいハイランドの湧水を使用し、特徴的なフルーティーさは創業時からの強いこだわりです。
アメリカンオーク樽とヨーロピアンシェリー樽を使用して最低12年間、丁寧に熟成させました。
さらに後熟することで甘く、複雑なオークの風味を作り上げます。
冷凍庫で冷やすことでより飲みやすくなり、ウイスキーに興味のない人、苦手と感じている方も、ウイスキーの魅力に気づけるのではないでしょうか。またストレートやロックで楽しむこともおすすめです。
まとめ
今回はウイスキーを冷凍庫に入れるとどうなるかについてまとめました。家庭用冷凍庫ではウイスキーは凍らないことが分かりました。
また、冷凍庫に入れるとウイスキーは本来の味や香りを失いますが、飲みやすくなります。
キンキンに冷やしたウイスキーはハイボールとして楽しむことで、新しい味や香りを知ることができるでしょう。
先ほどご紹介したサントリーウイスキー角瓶は、スーパーやコンビニで容易に入手できるかなりお手頃価格な商品ですので、暑い時期に一度凍らせて飲んでみてはいかがでしょうか。
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