2023年7月22日
ジャパニーズウイスキー「響30年」の定価が高い理由
目次
日本だけでなく海外でも人気が高いジャパニーズウイスキー。
その中でも「響30年」の定価はなぜこんなに高価格なのでしょうか。
響の歴史や魅力について紹介しています。
ジャパニーズウイスキー「響30年」
日本だけでなく海外でも人気のあるジャパニーズウイスキー。
その中でも「響30年」は10年前までは簡単に定価できる銘柄でしたが現在は高騰しており今では定価の5倍以上にまでなっています。
「響30年」が高騰し続けているポイント、定価についてまとめてみました。
ジャパニーズウイスキーとは
まずはじめに、ジャパニーズウイスキーに定義があるのはご存じでしょうか。
日本国内で唯一の洋酒メーカー団体、日本洋酒酒造組合が制定した「ジャパニーズウイスキー」の表示に関する自主基準をみていきます。
①「原材料は麦芽、穀類、日本国内で摂取された水に限る。麦芽は必ず使用する。」
麦芽を必ず使用しなければなりません。米などを原料とし樽熟成したものはジャパニーズウイスキーと表示不可になります。
②「糖化、発酵、蒸留は日本国内で行うこと。」
外国産の原酒をブレンドしたものはジャパニーズウイスキーと表示できません。
③「700リットル以下の木樽で、3年以上、日本国内において貯蔵すること。」
樽での熟成をしていなかったり、3年未満の熟成の物はジャパニーズウイスキーと表示できません。
スコッチではオーク樽での熟成と定義されていますが、ジャパニーズウイスキーでは木樽とする事で、桜や杉、檜、栗などの日本ならではの木材での熟成の可能性を 追求できるようになっています。
④「日本国内で容器詰めすること。」
容器詰めの際には加水する事が多いですが、これを日本国内と限定する事によって、加水する際の水も、自動的に日本国内で採取された水となります。スコッチでは容器詰めの場所は限定されていません。
これらのジャパニーズウイスキーの定義を見てみると原料と製法に日本独自のこだわりがあることがわかります。
ジャパニーズウイスキーの表示に関する自主基準は、あくまでも、木樽で熟成していない物や、ウイスキー10%に対し醸造アルコールやスピリッツを90%加えた物がジャパニーズウイスキーと名乗るのを抑制するためのものとして、消費者に浸透する事が必要といわれています。
響30年とは
1989年、サントリーホールディングスが創業90周年を迎えるにあたり、初めて「響」が市場に登場しました。
この時、発売された響は「17年」ものであり、国産ブレンデッド・ウイスキーの中で最高峰の逸品でした。
年間数千本しか生産できない、貴重で希少な数量限定商品です。
モルト原酒にはサントリー秘蔵の超長期熟成樽の中から最低でも酒齢30年以上のモルト原酒が入念に選ばれます。
これに酒齢30年以上の円熟グレーン原酒を吟味して丁寧にブレンドされています。数が少ないため、すべて手作業で行われているそうです。
贅を極めた宝石のような美酒として、30面カットのクリスタルボトルに封じて作られています。
響30年のブレンダー
ウイスキー造りで重要な役割を果たすのは、「ブレンダー」と呼ばれる熟練の職人です。
「響」の繊細で複雑な香味を作り出すには、原酒ごとの香りや味わいを見極めるブレンダーの存在が欠かせません。
1日に数百種類もの原酒をテイスティングすることがあるというブレンダーは、サントリーが所有する100万個を超える樽から原酒を厳選して「響」特有の香味を表現しています。
ウイスキー蒸溜所にはさまざまな熟成年数の原酒が存在し、同じ蒸溜所で造った原酒でも、樽によって仕上がりが異なります。
理想とする香味を実現するには、樽ごとの個性を知りつくしたブレンダーによる、匠の技が必要です。
響30年のブレンダーはどういう人物かご存じでしょうか。
サントリー名誉チーフブレンダー「輿水 精一(こしみずせいいち)」氏です。
1973年サントリー株式会社(現サントリーホールディングス株式会社)入社。
1976年より研究センターや貯蔵部門などを経て、1985年より山崎蒸溜所で勤務。
1991年にブレンダーとなり、1999年にチーフブレンダーに就任。2014年から名誉チーフブレンダーとなり現在に至ります。
2003年のインターナショナル・スピリッツ・チャレンジ(ISC)にて山崎12年が金賞を受賞し、翌年2004年からISCの審査員となっています。
「響21年」をはじめ、手がけたウイスキーが世界的な酒類コンペティションで多数の最高賞を受賞し、ISCにおけるもっとも名誉な賞である「ディスティラー オブ ザ イヤー」を2010年に日本のウイスキーメーカーとして初めて受賞し、2013年、2014年にも連続して受賞しています。
2015年にウイスキー専門誌『ウイスキーマガジン』が認定する「Hall of Fame(ホール オブ フェイム)」(長年に渡りウイスキー業界において特筆すべき貢献を果たした個人に贈る栄誉ある賞)を受賞し、日本人として初めて“ウイスキー殿堂入り”となりました。
「響12年」「響30年」「山崎35年」「山崎50年」「白州25年」など様々なプレミアムウイスキーを手掛け、世界が認めるジャパニーズウイスキー業界のレジェンド的ブレンダーと称されています。
日本最高峰のブレンデッドウイスキー
「響」は世界的なウイスキーコンペティションで数々の受賞歴を誇り、日本人の味覚のみならず、海外の方にも「おいしい」と感じさせるウイスキーです。
「響」は、さまざまな樽で仕込まれた原酒をブレンドして造られている、ブレンデッドウイスキーというものです。シングルモルトとは違い、原酒の種類、クオリティ、ブレンダーの技量が問われる非常に繊細な原料になっています。
「響」の世界的な評価
世界的に「響」の評価が高まり、現在は定価で入手するのが難しくなりました。評価されているのは、ISC(インターナショナル・スピリッツ・チャレンジ)やWWA(ワールド・ウイスキー・アワード)等の世界的なコンペティションです。
2004年には「響30年」がISC最高賞の「トロフィー」を獲得、「響21年」が金賞を受賞して世界的評価を得ました。
2005年には「響17年」がSWSC(サンフランシスコ・ワールド・スピリッツ・コンペティション)で金賞を受賞しました。
2006年のISCでも「響30年」が「トロフィー」、「響21年」が金賞を受賞していて、高い水準で品質を維持しています。
さらに2021年のISCでは「響21年」がダブルゴールドを受賞しています。
響30年の製法
響30年の製造は、サントリーウイスキーの中でも特殊な製法で仕上げています。
サントリー秘蔵の長期熟成樽の中でも、最低30年以上のモルト原酒のみ。そしてモルト原酒へ、こちらも酒齢30年以上の円熟グレーン原酒を、サントリーのみぞ知るブレンド方法で生成しています。
ウイスキー業界では機械化が一般的ですが、響30年だけは手作業で行われているため、他のサントリーウイスキーと比較にならない深い味わいです。
また、飲むだけが楽しみではなく、響30年のみ精巧に作られた「30面カットのクリスタルボトル」で、見ているだけでも楽しませてくれます。
響30年はどんな味?
「響30年」の味や香りは、マンゴーやイチゴジャムのようなフルーティーな味わいで、杏の甘味に加え長期熟成だから味わえるとろみのある飲み口です。長く深い余韻があるのが特徴的です。
山崎蒸溜所へ出向けば、有料試飲で響30年のウイスキーを味わう事ができるので、事前に試飲が可能か確認を行った上で足を運んでみてはいかがでしょうか。
響30年のおすすめな飲み方
ストレート
まずはストレートで飲むことをおすすめします!
響30年をストレートで飲むことによってまろやかな舌触りや味や香りを贅沢に堪能することができるので、まずはストレートがおすすめです。
スモーキーな香りは少し強いですが、口に含んだ瞬間マンゴーやイチゴ、杏子の甘い香りが一気にスモーキーさをかき消してくれます。
ロック
常温であるストレートでは少し飲みにくいなと感じた方は是非ロックで味わってみてください。
ロックで味わう事によって響30年が冷やされるのでより香りが立ち、氷が溶けて加水されることによって味わいも更にまろやかになります。
良いウイスキーなので加水されても味や香りが悪くなる心配はなく、響30年本来の旨味を引き出してくれます。
ハイボール
ハイボールで響30年を飲んでも美味しいのですが、沢山の氷を使用してしまうとやや渋みが出てきてしまうので、少なめの氷でハイボールを作ることをおすすめします。
響30年のハイボールはとても上品でさっぱりとした飲み口になるため、ウイスキーが苦手な方でも思わず飲みすぎてしまう程美味しいです。
ハイボールはどんな食事にも合うので、食中酒としても非常におすすめです。
水割り
響30年を水割りで飲んでも美味しいです。
最もおすすめの水割りは響30年1:水1ですが、お好みで水の量を調整して飲んでみてください。
響は年代に関わらず加水することで香りが立ち甘味も増すので、様々な味の変化を楽しむことができます。
しかし、水の量が多いと響30年の良さが失われるため、加水しすぎない程度に水分量を調整して飲むことをおすすめします。
響30年の定価
これほど上等な響30年を入手したいところですが、手作業と原酒の量が少ないこともあり、年間数千本程度しか作れないため店頭に並んだ瞬間に完売することもあります。
または飲食店に卸した段階で販売終了になることがほとんどです。
時には、サントリーの生産状況の関係により減産することもあり、その際はプレミアム価格まで高騰することもあります。
響30年の定価は、700mlで125,000円(税別)です。
近頃では定価の5倍以上の買取価格がつくことが珍しくなく、1997年から2007年まで流通していた観音開き化粧箱付きのボトルは、さらに高額で取引されています。
まとめ
「響30年」は特別に作られたジャパニーズウイスキーということもあり今後も価格が高騰していくことが考えられます。
そんな高級なお酒が入手できた際は飲むのももちろん最高ですが、資産運用に活用してみるのはいかがでしょうか。
Wgainでは、ウイスキーを買い取るのではなく、価値のあるヴィンテージウイスキーで資産運用ができる日本初のプラットフォームを運営しています。
お客様が所持しているウイスキーもしくは当社が出品するウイスキーの所有権を購入していただき、売却することで資産運用ができます。