2023年7月24日
ニッカウヰスキー竹鶴21年の特徴や価格推移まとめ
目次
サントリーに次いでジャパニーズウイスキーの生産で有名なニッカウヰスキー。
居酒屋などでは定番メニューとしてブラックニッカを扱っているところが多く、飲んだことがある方も多くいらっしゃると思います。
今回はニッカウヰスキーの高級ブランド「竹鶴」の21年について、ニッカの歴史から蒸溜所の特徴、「〇〇〇モルト」の意味の解説も含めてご紹介していきます。
創業者・竹鶴 政孝について
ニッカと言えば余市の土地をイメージする方が多いと思いますが、竹鶴政孝(たけつる まさたか)氏は広島県賀茂郡竹原町(現・竹原市)で誕生しました。
竹鶴氏はニッカウヰスキーの創業者であり、サントリーウイスキーの直接的始祖、マルスウイスキーの間接的始祖でもあります。
これらの業績から「日本のウイスキーの父」と呼ばれています。
ニッカウヰスキー株式会社
1934年、北海道余市町にニッカウヰスキー株式会社の前身の「大日本果汁株式会社」が設立されました。
ウイスキー作りには長い年月がかかり、製造開始から販売までの間売り上げが確保できないため、まずは資金調達のため余市町の特産品のリンゴを使い、リンゴジュースを販売していました。
リンゴジュースの販売は上手く軌道には乗りませんでしたが、その後1939年からウイスキー作りに着手、1952年に社名を現在の「ニッカウヰスキー株式会社」に変更し、ウイスキーを中心として製造しています。
2つのこだわりの蒸溜所
ニッカは離れた場所に2つ蒸溜所を持っており、それぞれ特徴が異なります。
余市蒸溜所
1934年に大日本果汁株式会社が設立される前、竹鶴氏はウイスキー作りを習得するためスコットランドへ渡っていました。
そこで感じた湿潤な気候・豊かな水源・綺麗な空気を、帰国後日本全国で探し求めた結果、竹鶴氏は理想のウイスキーづくりの場所として北海道余市を選びました。
スコットランドの蒸溜所で習得したウイスキーの作り方に基づいて、「石炭直火蒸溜」という蒸溜方法が採用されています。
現在ではコストや手間が抑えられる「間接蒸溜」が多い中、当時の蒸溜方法で今日も続いています。竹鶴氏の夢への思いと情熱は、竹鶴氏亡き今も引き継がれています。
宮城峡蒸溜所
余市蒸溜所が設立されてから35年後の1969年、竹鶴氏は異なる蒸溜所で生産された複数の原酒をブレンドすることを求めて、宮城県仙台市に第二の蒸溜所・宮城峡蒸溜所を設立しました。
宮城峡は広瀬川と新川というふたつの川があり、清流が綺麗です。竹鶴氏は初めて宮城峡を訪れた時、新川の清流でブラックニッカを割って飲んで味わいを確認し、その場で蒸溜所を作ることを決定しました。
宮城峡蒸溜所が誇るのが「カフェ式連続式蒸溜器」です。
導入当時はすでに旧式とされていた蒸溜器です。旧式ゆえに雑味の成分が残りやすいのですが、技術によってそれを原料本来の香りや甘みに変えることができるため、竹鶴氏はあえてこの旧式蒸溜器を選びました。
宮城峡蒸溜所では、今も竹鶴氏の情熱を引き継いだスタッフ達がウイスキーの美味しさを求め、様々な試みを続けて研究しています。
竹鶴21年「ピュアモルト」とは
ウイスキーは穀物を原料として作られますが、その原料の違いでさらに分類されています。
「モルトウイスキー」は大麦麦芽を主原料として、単式蒸溜器で作られるウイスキーです。
トウモロコシや麦などの穀類を主原料に、糖化用のモルトを加えて、連続蒸溜器で蒸溜するのは「グレーンウイスキー」と呼ばれています。
モルトウイスキーの中にも種類があります。
ピュアモルト以外にもよく聞くシングルモルトなど、「モルト」と付いたウイスキーは4つあります。それぞれの違いについてご説明いたします。
①シングルモルト
1つの蒸溜所で作られたという意味です。単一(シングル)の蒸溜所で、モルト原酒のみを大きな桶に入れて混ぜ併せることをわかりやすくするために、シングルと呼ばれています。
②シングルカスク
単一の「樽」で熟成されたモルト原酒のみを瓶詰めしたものです。
③ピュアモルト
100%モルトウイスキーで作られていることを意味しています。
シングルモルトもモルト原酒100%ですが、ピュアモルトの場合は複数の蒸留所のモルト原酒を掛け合わせています。
また、ピュアモルトは日本でのみ使われる表現です。
④ブレンデッドモルト
ピュアモルトと同義語で、複数の蒸溜所のモルト原酒を混ぜて作られたウイスキーです。
ピュアモルトはほぼ日本でのみ使われていますが、海外ではブレンデッドモルトや、「ヴァッテッドモルト」とも呼ばれています。
上記に述べた通り、竹鶴ピュアモルトは余市蒸溜所と宮城峡蒸溜所の2つの蒸溜所で作られるモルト原酒を大きな桶に入れて混ぜ併せて作られたウイスキーです。
余市蒸溜所の力強いモルト原酒と、宮城峡蒸溜所の華やかなモルト原酒を融合して、最高なピュアモルトウイスキーが誕生しました。
竹鶴21年の特徴
長期熟成された余市のモルトの厚みと、宮城峡のフルーティさの組み合わせ。
21年以上熟成した原酒をブレンドしたピュアモルトのため、濃厚な香りと持続するリッチさがあります。飲んだ後、ゆっくりどっしりとした深みと香りが出てきます。
長期熟成原酒を使用したため、余市らしいモルトの厚みと宮城峡のリンゴのようなやわらかなフルーティーさがあります。
熟成したピーチやトロピカルフルーツのような果実の香りが感じられ、豊かで濃厚な香りとリッチで華やかな樽香も魅力的な特徴です。
受章歴
竹鶴21年は2001年に発売以来、世界的なお酒のコンテストで数々の賞を受賞しています。
2006年 ISC金賞
2007年 WWA「ワールド・ベスト・ブレンデッドモルトウイスキー」受賞
2008年 ISC金賞
2009年 ISC世界最高賞「トロフィー」受賞(国産ウイスキーとして初の受賞)
WWA「ワールド・ベスト・ブレンデッドモルトウイスキー」受賞
2010年 ISC金賞
WWA「ワールド・ベスト・ブレンデッドモルトウイスキー」受賞
2011年 WWA「ワールド・ベスト・ブレンデッドモルトウイスキー」受賞
2012年 ISC金賞
2014年 ISC金賞
2015年 ISC金賞
2019年 ISCダブルゴールド受賞
また、2016年に三重県で行われたG7伊勢志摩サミットでは、国産ウイスキーが4種類提供され、そのうちの1つに竹鶴21年が選ばれ、世界の首脳たちに振舞われました。
定価と相場推移
竹鶴21年の商品情報をおさらいします。
酒別:ピュアモルトウイスキー
アルコール度数:43%
内容量:700ml
販売時期:2001年3月~2020年3月終売
メーカー希望小売価格:15,000円(税込:16,500円)
以下はAmazonでの販売価格推移です。
2014年 約8,500円
2015年 約14,000円
2016年 約18,000円
2017年 約25,000円
2018年 約30,000円
2019年 約35,000円
2020年 約55,000円
2021年 約75,000円
2022年 約80,000円
竹鶴21年は現在定価の約5倍で取引されています。特に2020年終売した後、価格がさらに高騰しました。
現在のウイスキー市場の動向をみると、竹鶴21年の価値は下がりにくいと思われます。
終売の影響で今後さらに価格は上がっていき、数年を経て相場価格が10万円を超える可能性もあると考えられます。
竹鶴21年を堪能する!美味しい飲み方
竹鶴21年を手に入れた際には、上記の価格推移から考えてしばらくは資産として保管しておくのもいいですが、ウイスキー好きな方にとっては飲みたくてうずうずして堪らないことでしょう。
我慢できずに開ける場合は、下記の美味しい飲み方を参考に堪能してみてください。
①ストレート
竹鶴21年をストレートで飲むと、初めは酸味のあるリンゴのような甘さがあり、レーズンや梨の香りが出てきます。
そのあとに、甘み、塩っぽさが感じられます。甘さがメインではありますが、複雑な深いコクもあります。
竹鶴21年の風味を直接味わうことが出来るので、筆者自身は今までで一番好きなおすすめの飲み方です。
②ロック
ロックで飲むと、氷を使用したことによる温度変化でピートの香りが出ます。
酸味、甘さやフルーティーさが強く、華やかな印象になります。味わいは初めは塩っぽさや苦みがあり、時間が経ってから氷が溶けていくと、辛さが弱くなり非常に飲みやすくなります。竹鶴21年をロックで飲むのもおすすめです。
③ハイボール
ハイボールにした場合、林檎のような甘さと炭酸が混ざり、スッキリした感覚になります。
竹鶴21年を入手するのは難しいので、普段お手頃価格なウイスキーのハイボールを飲んでいる方は、超贅沢なハイボールにして違いを味わってみるのもいいでしょう。
炭酸を加えても竹鶴21年の味をしっかりと感じることが出来て、そして非常に飲みやすいので、初めての方でも楽しめると思います。さっぱりとした飲み方がお好みの方におすすめな飲み方です。
④水割り
竹鶴21年に加水して飲むと、レーズンや梨の香りがひらき、ストレートで飲むよりも濃厚な甘さと果物の香りを感じます。
21年熟成されたため、加水しても香りや甘さが強く感じます。辛さが弱くなりますので、女性の方におすすめの飲み方です。
まとめ
竹鶴21年はストレート、ロック、ハイボール、水割り、4つの飲み方により、さまざまな風味を体験できます。
竹鶴21年は終売になってしまいましたが、Yahoo!や楽天などのサイトで購入できます。
そして、まだ在庫が残っているバーもあると思いますので、見つけたら是非一度飲んでいただきたいウイスキーの1つです。
2014年に竹鶴12年が終売し、その後2020年3月に竹鶴17年、竹鶴21年、竹鶴25年が終売となりました。
竹鶴年数表記ありのヴィンテージウイスキーが姿を消して、現行の竹鶴ピュアモルトNV(ノンヴィンテージ)白ラベルの販売に切り替わりました。
竹鶴ピュアモルトNV白ラベルは、年間22,000ケース販売されてますが、大量に入手することは難しい状況です。
竹鶴21年は深いコクといろいろな風味のバランスがとても良くて、完璧なジャパニーズハーモニーウイスキーだと筆者は思います。
入手が難しくて、そして価格が高騰しているという事実もありますが、筆者自身は一番好きなジャパニーズハーモニーを感じられる1本です。
もし竹鶴21年を手に入れる機会があれば、是非ストレート、ロック、ハイボール、水割り、この4つの飲み方で楽しんでみてください。
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